高等教育は、中等教育を修了した者またはそれと同等以上とみなされた者が知識・倫理・技術などを深く学び、さらにそれらの理論や実践を身に付ける。そのことを通じて、課程を修了した後に、職業人となるなどして広く社会に、教育の成果を還元する。高等教育を行う学校には、大学、高等専門学校、その他の教育施設があり、教育施設の中でも学位またはそれに準ずる学術称号を授与する権限を持っていたり、課程の修了により他の機関から授与されることに特徴がある。
高等教育は、時代や地域によっては、将来の国や社会を担うエリート養成という役割がある。一方、近年、高等教育は個人の能力に応じ、すべての者に等しく開放されなければならないと国際人権規約[18]により規定されており、高等教育の進学率は上昇傾向にある。現在の先進国では、高等教育進学率が50%以上の国も少なくない。開発途上国では、母語による高等教育が困難であることを理由に、英語やフランス語などの非母語を使用している場合もみられる。日本のように、母国語でほとんどの専門科目の授業と教科書がそろっている国は少ない。
各校種の意義は時代、地域によってそれぞれだが、高等教育の目指すものの内容についても議論が行なわれており、ユネスコ高等教育世界宣言[19]などの文書もある。欧州圏ではボローニャ・プロセスにより、各国の高等教育レベル互換性を定める作業が進んでいる。
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